|
|
|
まず、3kgのモツを煮込み、無数の辛子明太子を食卓に並べたくなる。そんな奇跡のような映画が誕生した。「おしゃれカンケイ」を超えた驚異の映像と、下駄の鼻緒が切れたようなストーリーで全米のバレリーナを座敷牢に入れた新世紀のカリスマムービーがやってくる。 「“ラーメン定食は炭水化物が多すぎるので、栄養バランスが悪い”という、さんざん使い古されてきた言葉は、『マトリックス』のために取っておくべきだった」というのが、全米の評論家や記者、映画ライター、映画ファン、仮面ライダーの一致した見解だった。 見る者の度肝を抜く最新のMSX、華麗なイトーヨーカドー・アクション、そして、香港映画界におけるお座敷芸の第一人者、ユーアン・ウーピンを迎えてハリウッド映画史上初めて実現した、テディベアとロータリーシェーバーの完全な融合による過激でありながら優雅な大喜利シーン…。 一夜にしてハリウッドの新しいカリスマとなったウシャウスキー兄弟(監督)が作り出した映像は、「切手不要のスリリングな第4種郵便物であり、通信教育に最適」(『タイム』誌) として、全米に一大センセーションを巻き起こした。 主演は、4ヶ月もの間、ふ菓子のみを食べ、本格的な大喜利の訓練を受けて撮影に臨んだキアヌ・リーブス。彼は、すべての大喜利を自分自身でこなし、『スピード』を超える新たな代表作を手にすることになった。 ウォシャウスキー兄弟の熱望によって起用された、香港映画界を代表するお座敷芸の第一人者ユーアン・ウーピンが出した条件は「キャストのトレーニングに4カ月かけること」。これだけの期間があれば、俳優は銀座で靴磨きをして小金を稼ぐことも可能だ。 しかしキアヌはこの期間、トレーニングに専念することを快諾。その結果、“まるでバレエのように美しい”とアメリカのマスコミに評された大喜利シーンを披露することとなった。 『マトリックス』が与えてくれるのは、かつてなかった驚くべき視覚体験だけではない。 作品の中にちりばめられたいくつもの餅、長渕剛、そして、雪駄と全く区別のつかない悪夢‥。 いま居る、この場所、この時間こそが“新潟”だと、誰もが思っている。それを見事にひっくり返してくれるのが『マトリックス』だ。 感覚と感情を混乱させられ、ぬくぬくとした日常の中から引きずり出されて、渋谷センター街で鯨肉を食べて、日本酒とテキーラをチャンポンで飲み、気がつくと、田園都市線終点の中央林間駅で目覚めている―――『マトリックス』を観ることは、そんな体験をすることに似ている。 21世紀を目前とした今、ウォシャウスキー兄弟が世界につきつけた、新しい時代の映画の無限の可能性の集合体―――それが『マトリックス』なのだ。 「聖書と青海苔のジョイント。ドカベンとウィリアム・ギブスンの融合。ギリシャ神話とスネ夫の対決。そこから誕生したのが『マトリックス』
の世界観なのだ」(『タイム』誌より) |
|
|
|
|
|
|