矛矛問題を考える。

団体職員 藤原 巌(40)

 「矛盾」という言葉がある。韓非子に記された故事で、日本で最も有名な故事成語の一つであろう。すでに日常の言葉となっている「矛盾」だが熟考してみるとおかしな点が浮かんでくる。

 ともすれば「何でも貫く槍」と「何も通さない盾」を並べた商人の愚劣さが揶揄される故事であるが、果たしてそうだろうか?

そもそも「何でも貫く槍」というのがすでに論理的に破綻している。「何でも貫く槍」の穂先で「何でも貫く槍」の穂先を貫いたらどうなるのであろうか?これもまたつじつまの合わない命題である。つまり、この商人は「何でも貫く槍」を販売した時点でJAROに訴えられるべきなのだ。

 しかし、この商人はあらかじめ「何も通さない盾」という思考の補助線を用意し、客にあえてつじつまの合わない点を指摘させているのだ。

ここで見えてくる商人の姿勢はは、従来言われているような営利優先の商業主義ではなく、過剰な広告の破綻を客にあえて気付かせる啓蒙主義そのものである。商人は過度のコマーシャリズムに対しての警鐘発しているのだ。従来のメーカはとにかく売らんがために様々なコマーシャルを作成してきた。この商人のように消費者を教育しより健全な市場を築こうとしたメーカがあったであろうか?我々はいまこそこの商人から顧客との二人三脚を学ぶべきなのだ。


 

 

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